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2011年 04月 05日
第一四半期終わってしまいましたね。
なんか気持ちだけ焦るのですが…。 3月の読書記録は洋書のみ。 1. Roseanna by Maj Sjöwall & Per Wahlöö 巷で流行のスカンジナヴィア犯罪小説。 Nordic Noirなどと呼ばれて本当に今はやってますが、この作品はその元祖ともいわれるものだそうです。 まだ携帯電話のコンセプトもなかったであろう1968年に出版された作品。 刑事マーティン・ベックシリーズの第一弾です。 若い女性の死体がスウェーデンの湖で発見されるがそれらしき人物が行方不明になったという届出はない。 どうやら被害者は外国人のようで、運河を行き来する遊覧船の乗客だったようだ。 遊覧船には80人近くの乗客、船員が乗っていた。 そのうちの誰かが彼女を殺し、死体を遺棄したのだろうか… 淡々とした文章が北欧らしい。 この作品はおそらくベックの紹介、というのも兼ねているのかベック自身の描写が多いです。 2.Room by Emma Donoghue 数年前にオーストリアで娘を長年に渡って地下室に監禁して強姦し子供まで生ませていた父親が逮捕された事件(Fritzl)がありましたよね。 この作品、あの事件をインスピレーションに書かれた、という書評を読んだので、しばらくうーん、と思って手に取らなかったのですけれども。 5歳のJackはMaとRoomで暮らしている。 毎日朝ごはん、運動の時間、勉強、遊び、テレビなど計画の立てられた生活。 それはJackにとって普通の毎日。 夜はNickがMaに会いに来る間、Jackはクローゼットに隠れている。 日曜日にはNickが食料や日曜日のご褒美などを持ってきてくれる。 Jackは一度もRoomから出たことがないので、Roomに存在しないものはテレビの中の作り物だと信じている… 若い女性の誘拐、監禁、レイプ、そしてそこに生まれた男の子。 普通ならとても暗い小説になりそうなところですが、この作品、素直なJackの視点から書かれているせいなのか、心温まる物語なのです。 だまされたと思って読んでみてください。 3.Snowdrops by A.D. Miller この作者のデビュー作だそう。 スノードロップとはこの場合花の名前ではなく、モスクワの俗語で雪解けの際に発見される死体のことですって(汗)。 イギリス人の弁護士、ニコラスはイギリスでの生活に飽きてモスクワの弁護士事務所で仕事をしている。 冷戦の終わった後の『新ロシア』では不正がはびこっているが、経済は上向きだ。 そんな中ニコラスは地下鉄の駅で出会ったロシア人女性と恋仲になり、彼女の『妹』と3人で行動を共にするようになる。 新ロシアの様子が生々しく書かれていて興味深いですが、ニコラス自身がナイーブ過ぎてあまり現実味がないなぁ。 読みやすいペースの作品なので、この作者さんはちょっと注目。 4.Started Early, Took My Dog by Kate Atkinson Kate Atkinsonの作品を読むのは初めて。 なかなか面白かったです。 定年退職したばかりの元警官、トレーシーはある日ひょんなことからとんでもない買い物をしてしまう。 見るからに虐待されているような幼女を母親と思われる女性から買い取ってしまうのだ。 その頃、私立探偵のジャクソンは飼い主に虐待されている犬を救い出し、犬と一緒に子供の頃養子に出され実の両親を探したいというクライアントの依頼を受けて捜査を開始する。 登場人物が思いもよらないつながり方をするのがすごく面白いです。 ただ、この幼女の事情をもっと掘り下げて書いて欲しかった。 それだけでも小説になりそうなぐらい不思議なキャラクターなんです。 3月のBest ReadはRoomに決定! 参加してます。 ポチっとお願いします。
by melocoton2
| 2011-04-05 16:28
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