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2009年 06月 01日
最近連日25℃を超える晴天の続くロンドンから、
2009年5月の読書記録です。 1.The 19th Wife by David Ebershoff モルモン教の二代目の預言者、Brigham Youngの19番目の妻、Ann Eliza Youngは一夫多妻制に反発し、Brighamから離婚し、一夫多妻制を批判する演説をして周り、自叙伝を出版する。 モルモン教は19世紀終わりに一夫多妻制を禁止するが、Ann Elizaの兄がその後創めたthe Firstというカルト宗教では現代でも一夫多妻制が続いている。 この本の面白いところは、Ann Elizaの生い立ち、Brighamとの結婚までのいきさつなど、モルモン教の歴史ともいえる物語と、現代が舞台のthe Firstのコミュニティーで起きる殺人事件を同時進行で描写しているところ。 モルモン教って、原宿とかで黒いスーツを着た若いお兄さんたちが 『アナタカミヲシンジマスカ』 と宣教しているのと、 その昔クイズダービーで一躍有名になったケント・ギルバートさんのイメージ、 それからアメリカのユタ州のイメージしかなかったのですが、 歴史をたどってみて、とても興味深かったです。 カトリックで育ったけれど大人になってみて宗教に懐疑的になってしまった私としては 『来世で天国にいけなくなったら困るから』 という理由でいやなことでも信じてしまう、というのが驚き。 本でしか出会えない人々の生き様を垣間見る、という点では、本当に面白い小説でした。 2.The Silent World of Nicholas Quinn by Colin Dexter このところモースづいてたので、勢いで読んでみたのですが、これもちょっと最後のどんでん返しをやりすぎって思ってしまいました。 海外の学生向けのイギリスの学力試験を受け持つオフィスで働いていたNicholasが何者かに毒殺される。 Nicholasは耳が不自由だったが、リップリーディングの達人だったので、電話や話し相手の口が見えない状況におかれない限り、普通の会話には不自由しなかった。 Nicholasは何を理由に殺されたのか? 3.空中庭園 by 角田光代 バンクーバーのBookOffで買った一冊。 初めて読んだ作家だったのですが、面白かったです。 『秘密は一切作らない』という方針の家族のひとりひとりの目から見た家族生活の描写。 一見、すべてをあからさまに話し合っているようで、それぞれ何かを隠し持っている。 親子であれ、兄弟であれ、夫婦であれ、分かち合えないものは必ずある。 かなり正確な家族描写なんじゃないかと感心して読みました。 いまお友達から同じ作者の『対岸の彼女』を借りているので楽しみです。 4.負けない私 by 群ようこ これも同じお友達から借りた本です。 この本を手にするまで、この作者の苗字、『グン』って読むんだと思い込んでた私って(爆)。 'あのかもめ食堂の人の本欲しいのよねー’っと探していたんですが、『ク』で始まる作者名のところに目を凝らしても見つかるわけ無いですね(爆)。 わがままな妹とか、自己中心の美人姉、退職後変わった趣味に走る父など、ちょっと手に負えない感じの家族を描いた短編集。 ああ、こういう人いるよね、っと共感はもてましたが、短編ゆえ、ちょっと物足りないと思ってしまいました。 この作者さんの本、他にも色々読んでみたいな。 名前の読み方わかったし(爆)。 5.Tales from the Arabian Nights 先日某所で寓話や童話の話で盛り上がったので、改めて読んでみたいな、と思ったのがアラビアンナイト。 図書館で見つからなかったので(たぶん児童書のほうにあるんでしょうね)、本屋さんでたまたま見つけたこの安いヴァージョンを衝動買いしてしまいました。 アラジンと魔法のランプ、シンドバッドの冒険など、本当はこんな話だったので、と楽しんで読みましたが、 やっぱり安い本だからなのか、まず、翻訳が物語によってまちまちで、たまに『この人何が言いたいの?』的な表現が出てきたり、それからどうしても許せなかったのが、最後にScheherazadeがどうなるのか、という大事な部分が抜けているのです!!!! やっぱりちゃんとPenguin'sかOxfordエディションを買いなおします。 今月のBest ReadsはThe 19th Wifeと空中庭園に決定♪ ※画像はwww.amazon.co.ukとwww.amazon.co.jpからお借りしています。 参加してます。 ポチっとお願いします。
by melocoton2
| 2009-06-01 18:30
| Books
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